56号、そしてお疲れ様でした

2022年10月3日。神宮球場で行われたスワローズ-ベイスターズの試合を持って2022年のプロ野球全日程が終了した。例年以上にコロナに見舞われたシーズン。プロ野球に携わる全ての人に心からの拍手を送りたい。

さて、そんなレギュラーシーズン最終戦であるが、ヤクルトファンにとってはいい意味で感情ぐちゃぐちゃになる試合だった。

まずは村上宗隆選手。世界の王を超える日本人最多56号ホームラン。55号を打ってからは61打席ホームラン無し。しかもヒットもなかなか出ず、やれどこか怪我しているんじゃないかだの、やれプレッシャーで平常心ではないんじゃないかだの、周囲の雑音をたった一振りで払ってしまうその姿、かっこいいの一言だ。村神様などと呼ばれることもあるが、56号を打った瞬間の安堵したような笑顔は、紛れもなく22歳の青年のそれだった。来年はスワローズの先輩であるバレンティン選手の打ち立てたシーズン最多60号の更新を目指して、ファンに夢を届けてほしい。村上選手の高い弾道のホームランの先には、たくさんの笑顔が溢れている。

そして、今シーズン限りで引退する内川聖一選手、坂口智隆選手、嶋基宏選手。スワローズが苦しいときに他球団から移籍したきた3人はプレーのみならず、若手のお手本としても力を発揮してくれた。このタイミングで3人と出会えたスワローズは本当に幸運だった。外様選手でありながら、あれほど盛大な引退セレモニーを開催したこと。3人が周囲からどう思われていたかを表す答えだ。いつか、また会いましょう。願わくば、スワローズに携わる形で。

さて、スワローズの戦いはまだ終わりではない。来週からはセ・リーグ優勝チームとしてクライマックスシリーズに臨む。厳しい戦いになることは間違いないが、スワローズというチームなら絶対大丈夫。絶対、大丈夫。