井の中のアイランド

おいきなさい

明日は好きな漫画の発売日だが

生きていれば「まさか」と思う出来事にしばしば遭遇する。

未知のウイルスが世界中で猛威を奮っているこの状況だって、大いなる「まさか」だ。

日常レベルで見ても、宝くじが当たったとか、恋人に1日で振られてしまったとか、様々な「まさか」がそこらへんに転がっている。買おうと思っていた漫画が売り切れていたとか、校庭に野良犬が侵入してきたとか、そんな些細な出来事だって立派な「まさか」である。大なり小なり、人の一日は「まさか」な出来事だらけなのだ。

家の前でトラックが脱輪していた。今日の僕にとって「まさか」な出来事はこれに当たるだろう。

脱輪してたんです。

してたんですよ。

いつものように仕事を終え、さあ家まであと10メートルくらいというところでパトカーやらなんやらいろんな車が停まっていて、何か事件でもあったんじゃないかと本当に焦った。慌てて車を降りてみると、家の横にちょっとした小川があるのだが、そこにトラックが脱輪してしまったようだった。事件じゃなくて安心したのが正直なところだ。トラックの運転手含めて、怪我人はいなかったらしい。

しばらくすると重機がやって来て、トラックは無事に引き上げられた。トラックの運転手とトラック会社の方がわざわざ家まで謝りに来た。僕の家は何一つ迷惑を被っていないので、なんだか申し訳なかった。今後、より一層安全に留意して運転してくれるなら、それ以上は何も望まない。

これまで様々な「まさか」を経験してきたが、家の前でトラックが脱輪しているのは初めてだった。明日はどんな「まさか」が訪れるだろう。宝くじを買えば当たるだろうか。あるいは家の中に野良犬が侵入してくるだろうか。