井の中のアイランド

おいきなさい

白い春

6月1日より、2024年春に卒業予定の大学生の採用選考が解禁されたらしい。

たしか、ちょうど僕らの代から就職活動のルールが変わって、3月1日が説明会などの解禁日になったはずだ。先輩方のスケジュールを参考にすることができず、ちょっと苦労したことを覚えている。

就活生のときの僕は「意識高い系」だった。というか、そうならざるを得なかった。業種・業界の調査、面接対策、説明会時の態度やマナーなど、就活に必要な要素がとにかく多かった。「相手の話を黙って聞くのではなく、しっかり頷いて聞くようにすると、採用担当者の印象も良くなる」ということを大学で教えてもらった。普段は、話を聞いてんだか聞いてないんだかよくわからんと評される僕だが、就活時はこれでもかというくらい頷くことにした。頷きすぎて赤べこになるかと思ったよ。

赤べこ

合同説明会では大手企業の話も聞いたが、僕は秋田県での就職しか考えていなかった。

就活生時代の遺産。

そのため就活は秋田と仙台の往復だった。正直、就活中は精神的にちょっと苦しかった。説明会への参加、エントリーシートの提出、1次面接、2次面接…。踏まなきゃいけない手順が多すぎて。滑り止めのつもりで受けた企業に滑ったときは焦ったね。そうした心境だったので、とある会社に内定を貰ったときは心底安心した。まあ、その会社も1年そこらで辞めてしまったのだけど。

という訳で、あんなに苦しかった就活を僕はもう一度行うこととなった。二度目の就活は家とハローワークの往復だった。大学生の頃の就活よりも、不安や苦しみは数倍大きかった。その分、採用を貰ったときの安心も大きかった。そして何より、嬉しかった。社会人として再生の機会を与えて貰ったことが。最初の就活では芽生えなかった感情だ。

就活生の皆さん、苦しい瞬間もあるでしょうが、どうか折れずに頑張ってください。面接の部屋に入るときのノックは3回が適切らしいですよ。