井の中のアイランド

メガネのシャンプー

通り雨と文庫本

実家に帰っている。

今日は暑い。由利本荘市も気温30℃に達するという。まだ6月。まだ梅雨入り前。しかしこの時期の猛暑に驚いてはいけない時代となっている。

実家の方が涼しいだろうと踏んで帰ってきたが、余裕でアパートより暑くて笑った。網戸を開けて入ってくるのは熱風だ。遠慮なくエアコンを使うことにする。冬は普通より寒くて、夏は普通より暑い。それが僕の実家。もはや屋根と壁のある屋外と言っても過言ではない。「屋根と壁のある屋外ってな〜んだ?」というなぞなぞには、シマの実家!とご回答いただきたい。

猫さんたちも暑そうである。この時期に人にくっついてくることはない。猫もそこまで気まぐれではないのだ。

梅雨入り前のバランス調整か、最近は雨が降らない。世の中は渇きに渇いている。潤してくれ。恵みをくれ。

昼下がり。なんとなく文庫本を読んでいると、外からパラパラと弾ける音がした。見たら雨が降っている。天気予報では一言も雨が降るなんて言ってなかったのに。あっという間に本降りになって、アスファルトを濃く塗りつぶしていく。猫も僕も突然の景色の変貌に興味津々である。

通り雨って何故か好きだ。悪戯というか冗談みたいな感じがして。今日は屋内から見ていたからただ面白いだけだったけど、仮に外にいて思い切り濡れたとしても、面白いと言えるかもしれない。

ほどなくして雨は過ぎていった。文庫本をどこまで読んでいたか忘れてしまい、それもまた面白かった。