シャンランラン

漫画は日本の代表的なサブカルチャーであるが、もはやメインカルチャーをも凌駕する勢いで、世界中に根付いている。

僕は人並みに漫画を読む方だと思う。たくさんの種類を買って読むというよりは、気に入った漫画を何度も繰り返し読むといった感じだ。

ここ数年に買って読んだのは、定番中の定番で恐縮だが、『鬼滅の刃』と『SPY×FAMILY』。言わずもがな面白い。そしてもう1作、最近好きになった漫画がある。

ふらいんぐうぃっち

 

2012年から別冊少年マガジンにて連載されている作品であるが、僕は今年になってから読み始めた。

【あらすじ】

木幡真琴、魔女。15歳の春。

高校入学をすることになった彼女は、一人前の魔女になるため、黒猫のチトと一緒に青森の親戚の家に引っ越してきます。久しぶりに再開した又いとこの圭や千夏、新しく友達になった、なお達と過ごす悠々自適な毎日は楽しいことばかり。時折起こるちょっと不思議な出来事と魔女の修行もほどほどに、今日も楽しく過ごします。

のんびり魔女の青森でのまったり生活、始まります。

ふらいんぐうぃっちアニメ公式サイトより抜粋)

 

物語の舞台は青森。弘前城など、実在の風景も漫画の中で描かれており、熱心なファンの間では聖地巡礼も行われているらしい。東北地方の穏やかさを漫画を通して感じ、秋田県出身の僕に刺さる。

この漫画の特筆すべき点は、主人公が15歳の魔女というファンタジーな設定がありながら、ジャンルが日常系であるということ。下校途中にマンドレイクを入手したかと思えば、次のエピソードではただ普通に畑作りをしたり雉を追いかけ回したりしている。日常と非日常の塩梅が絶妙で、読んでいて非常に楽しい。

そして、僕がこの漫画を好きな最大の理由がある。登場人物が全員優しいのだ。悪役が登場しないとかそんなレベルの話ではなく、意地悪なことをする人が本当に一人もいない。誰かの優しさがまた他の誰かの優しさに連鎖し、物語全体に柔らかな空気が漂っている。漫画を読んだ後は非常に心地良い気分になる。

 

興味のある方はぜひご一読を。魔法にかけられたかのように、優しい気持ちになれるはずだ。