井の中のアイランド

エクスとプレス

ホワイトアウトな給料日

昨日から酷い天気が続いている。今年は雪の少ない冬だと思っていたが、一気に揺り戻しが来た。

今日の朝もホワイトアウトで視界がすこぶる悪かった。運転するには注意が必要だ。こんなときに出せる速度はせいぜい30kmくらいである。前に車が走っていればそれを目印に運転できるが、自分が先頭になってしまえば、運転は一気にハードモードと化す。白一色の世界は無機質で怖い。

天気があまりにも悪かったので、半日有給を申請して午前中で仕事を切り上げた。通勤で一仕事終えたようなものだし、たまにはこういう日があってもいいだろう。職場を出るときはちょうど晴れ間が見えていた。しめしめと思い車を発進させた途端、再び吹雪いてきた。冬の天候は変わりやすい。海からの風が吹く沿岸部なら尚更だ。これは宿命である。

さっさと帰宅したいところだったが、今日は給料日なので銀行に寄ってから帰ることにした。実家暮らしなので家にもお金を入れなければいけない。お昼時だったのでATMは多少混んでいた。たまに「銀行で働いている人は3時で帰れるんでしょ」なんて言う人がいるが、とんでもない。窓口が3時で閉まるだけで、それからの庶務がむしろ大変らしい。水面をのんびり泳いでいるように見えるアヒルも、実は足を一生懸命動かして泳いでいる。たぶん、あれとおなじだ。そう、銀行員はアヒルなのである。それじゃあこれから家に帰る僕は、みにくいアヒルの子か。実はハクチョウだったりするのだろうか。

銀行からの帰り道も相変わらずホワイトアウトだった。吹雪が止んだとき、アヒルのままかハクチョウになっているか分からないが、とりあえず、事故なく家に着いて、おろしたお金を親に渡せたら今日は上出来である。