井の中のアイランド

エクスとプレス

出会いのかけら

3月は別れの季節と呼ばれる。

卒業式があるからそのイメージが付き纏うのだろう。でも、僕が別れを痛感するのは卒業式よりも学校の先生の異動だ。

秋田県の地元紙でも先日、教職員の人事異動が掲載された。つい先日まで授業を教わっていた先生とのお別れを知るのは、3月下旬頃ととても遅いのだ。それも紙面で唐突に知ることになるから、けっこう驚く。お世話になった先生が同じ学校からいなくなるのは、やっぱり寂しい。

噂では教職員の異動は本人には3月初旬頃、遠方へ異動する場合は2月頃に通知されるらしい。先生方からしてみても、自分が他の学校へ移ることを知っていながら、新聞で発表されるまで生徒たちに伝えられないのは辛いものがあるだろう。

新聞で異動が発表された数日後には、離任式が行われる。形態は学校によって様々かと思うが、僕が通っていた小学校では、異動する先生それぞれに生徒が代表して送別のメッセージを送っていた。実は僕もその役を引き受けたことがあるのだが、僕がメッセージを送った先生は、産休に入った先生の代わりに赴任してきた先生だったので、学校に1ヶ月ほどおらず、正直思い出は全くなかった。だからどんなメッセージを送ればよいのか全然思いつかず苦労した。「短い間だったのであまり思い出は作れませんでしたが」みたいなことははっきり伝えた気がする。それにしてもなぜメッセージを送るのが僕になったのだろう。たぶん僕が出席番号1番だったからだと、勝手に思っている。

年度末。人事異動の季節。巡り会いの中で生きてく。