井の中のアイランド

エクスとプレス

地の塩 世の光

スマホの機能で、「○年前の今日の思い出」みたいな感じで過去に撮った写真を振り返ってくれるものがある。それによると、7年前の今日が大学の卒業式らしかった。

大学の卒業式すら7年前のことになるのか。もう1年経過すれば、大学を3回卒業したのと同じだけの年月が流れたことになる。

大学の卒業式は街の体育館だったりイベント施設だったりに卒業生が集まるだけなので、小・中・高校の卒業式とはちょっと雰囲気が違う。その空間にいる9割近くの人は同級生でありながら名前も知らない。さらに特殊な点を挙げると、僕が通っていた大学はキリスト教系列の大学なので、卒業式の中で賛美歌を歌う場面があったり、説教を受けたりする(この場合の説教とは、宗教の教義なんかを人々に口頭で説き明かすことを指す。卒業生全員が叱られた訳では無い)。僕はキリスト教徒でもなんでもないので、説教の内容は全然覚えていない。

印象的だったのは卒業式を終えた後である。キャンパスに戻り、友人みんなでゼミの先生に挨拶をしにいった。

目線だけ隠したのが僕。真ん中が看板。左が先生。後方両サイドにいるのが友人。靴で踏んでいるのが地面である。先生には大学を卒業してからもいろいろとお世話になっている。前の仕事を辞めるときも相談に乗ってもらった。冗談も通じるいい先生だった。

それからは他の友人も交えて仙台の街に飲みに行った。三次会くらいまでした気がする。最後にはカラオケに行って皆でいろいろと合掌した。僕はエレファントカシマシの「俺たちの明日」を魂を込めて歌ったが、そのときは全員スマホをいじっていた。

卒業式の2日後、引っ越しの準備を終え、僕は仙台を去った。仙台で出会った友人にさようならは言っていない。個人的にさようならとは思っていないからだ。