井の中のアイランド

エクスとプレス

実は釣られやすい

北海道函館市の海岸にイワシが大量に打ち上げられたらしい。

人の手で集めるには限界があり、重機も出動して回収作業にあたっているとか。調査の結果、近くの漁港の酸素濃度が普段よりも低く、それが原因と見られている。

回収されたイワシは焼却処分されているとのこと。勿体ないような可哀想なような、なんとも言えない気持ちになるが、さすがに食べるわけにはいかないよなと思う。あと、浜辺に打ち上げられている魚を無闇に拾うと、場所によっては密漁になる可能性があるから、そういう意味でも拾うのはやめたほうがいい。

でも、スーパーで買う魚も、言ってしまえば死んだ魚だ。漁師さんが釣ってきたか、打ち上げられたかの違いである。だけど「これは浜辺に打ち上げられていた魚です」と言われるとたちまち心配になる。釣ってから1日経った魚と、打ち上げられてから1時間の魚だとどちらの方が鮮度がいいのだろうか。

背景が変わるだけで印象が変わるって、考えてみたら残酷だ。例えば髪の毛は頭に生えている間は綺麗に大切に手入れするが、抜けて床に落ちた途端、ゴミとして扱われる。今回のイワシだってそう、浜辺に打ち上げられたばかりに食べ物としては扱われなくなった。

僕は浜辺に打ち上げられないように、どうにか頑張って泳ぎ続けなければいけないなと、今回のニュースを見て思った。どうにか頑張って、自分に価値をつけていきたいものである。