僕がマッチングアプリを始められないたった1つの理由

彼女がいない。もう随分長いこといない。

無理して作る必要はないかな、なんてことは言わない。僕は彼女が欲しい。常人の倍は欲しいと思っている。でも常人の倍モテないので、黙っていてもできる訳がない。

そんな僕だが、マッチングアプリに興味がある。

マッチングアプリ。タップルとかペアーズとか。

 

マッチングアプリの利用者数は年々増加し、市場規模は760億円を超えると言う。怪しい出会い系サイトとは違い安全性もしっかり確保されている。出会いのきっかけが欲しい僕のようなタイプにはうってつけと言えるだろう。

「よし、マッチングアプリを始めよう!」と決意したのが今年の1月で、実際に始められずにもう9月になってしまった。何故僕がマッチングアプリを始められないか。写真がないのである。

すべてのマッチングアプリがそうなのかは分からないけれど、調べたところ、大抵のマッチングアプリは必ず写真をプロフィール(?)に載せることになっている。自分が写っていない写真でもいいのかもしれないけど、自分をさらけ出しもせず都合よくマッチできることはないだろう。

僕のスマホの写真フォルダにはたくさんの写真が保存されているが、写りのいい写真がないとか、そんな話ではない。単純に僕が写っている写真が極端に少ないのだ。写真を撮るのは好きだが、写ることがあまり好きではない変な性格が災いし、マッチングアプリを始められず、足踏みする結果となってしまった。

一応、自分が写っている写真もあるにはあり、比較的ちゃんと写っていたのがこれだ。

 

いるなー説明がいるなー。

友達と除夜の鐘を突きに行って、どちらが大きい音を鳴らせるか対決してるときの写真だっていう説明がいるなー。あと除夜の鐘鳴らしに行ってんのにしょうもない対決するとか煩悩まみれだなー。

単独で写っているのは本当にこれだけだった。

どうする?自撮り?僕が?写ることがあまり好きではないとか言ってた僕が?嫌だ。自撮りは嫌だ(というか男性の自撮りは女性ウケがあまりよくないらしい)。どうする、どうする、どうする。

 

友達に撮ってもらおう。彼女はいないが、友達はいる。そうだそうだ、そうしよう。

そう思っていた矢先、中学の頃から付き合いのある友達から遊びの誘いがあった。さっそく事情を話し、遊びのついでに写真を撮ってもらった。その1枚目がこれだ。

 

なんかコラっぽくね?

濃紺のスーツを着ているからか、鮮やかな花との対比が不自然で僕が無理やり貼り付けられたみたいになっている。高く掲げたピースサインが極端に焼け石に水だ。ちなみに何故スーツなのかと言うと、単純に仕事終わりに行ったからだ。気合いを入れてスーツを着て行った訳ではないし、気合いを入れたのだとしたら明らかに入れ方を間違っている。もうちょっと近くに寄って撮った方がいいかな。反省を踏まえて取り直してもらった写真がこれだ。

 

アグリビジネスの人?

「地域の農業を、未来へ繋ぐ」じゃねーんだよ。農業の対義語みたいな見た目しやがって。あと天気悪いな。

 

駄目だ。写真に写るのが下手過ぎる。この日は諦めることにした。いい忘れていたが、これは5月の話だ。

 

友達と別れてから、冷静になって考える。まず、狙って撮りすぎだ。よそ行き用の写真ってことがバレバレ。それから、スーツはない。居酒屋とかで撮っているなら分かるけど、自然の中でスーツはない。もっとナチュラルな瞬間をラフな格好で撮ってもらうべきだ。うん、なんとなく分かったぞ。もう同じ失敗はしないな。

後日、再び友達から遊びの誘いが。よし、今度こそナチュラルでラフな写真を撮ってもらうぞ!これでどうだ!

 

よそ行きスーツ自然〜~~!!!!!

 

僕がマッチングアプリを始められないたった1つの理由。誰か僕の写真を撮ってください。