こころ

3年前の6月頃から、時々、心療内科へ行っている。3年前の6月は仕事がかなり大変な時期で、仕事に対しての悩みがとても大きく、友達の薦めもあり行ってみることにした。最初の頃は継続的に通っていたが、ここ数年は処方してもらっている薬が切れたタイミングで行っているだけなので、半年に一回行くくらいだ。

僕が処方してもらっている薬は、詳しくは伏せるが、胃液の分泌を抑える薬、良く眠れるようにする薬、不安感を抑える薬の3種類だ。基本的に毎日飲んだほうがいい薬だが、医師の話によれば、体調が思わしくないときに頓服薬のように飲んでも構わないとのことなので、毎日飲むのではなく、本当に落ち着かないときにだけ飲むようにしている。薬に頼りっぱなしにはなりたくないので、なるべく飲まないようにし、ゆくゆくは薬に頼らないようにしたいと思っている。

僕が心療内科に行っていることは、家族に言っている。多くの友達にも言っている。職場の人にすら言っている。心の不調となると、周囲にあまり知られたくない人が多いと思うが、風邪を引いて内科に行ったことや、腰が痛くて整形外科に行ったことなどは簡単に周囲に言えるだろう。僕にとっては、それと同じ感覚だ。心の不調は、今の時代もはや珍しいことではない。だから、こそこそ隠す必要もないと考えたのだ。変に気を遣われることもなく、結果的に隠さなくてよかったと思っている。

だけど、できることなら、心療内科に通わず自分の心と付き合えるようになりたかったのも事実だ。家族も友達も職場の人も、皆少なからず悩みや苦しみを抱えていることは間違いない。でも、僕が知る限り心療内科に通っている人はいない。言うまでもないことだが、薬に頼らず生きていけるのなら、それに越したことはない。風邪薬を飲まなくて済むのならその方がいいし、体中に湿布を貼らなくて済むのならその方がいいに決まっている。それが心ならば、尚更だ。仕事が大変だった時期、心療内科に行かなくても意外と大丈夫だったのだろうか。それとも、本当に立ち直れなくなるくらいに心が潰れてしまっただろうか。既に心療内科に行っている今では知る由もない。

先日、薬をもらいに久しぶりに心療内科へ行ったところ、とても可愛いスタッフさんが新たに働いていた。

…やっぱり、心療内科に通っていてよかったかもしれない。