井の中のアイランド

エクスとプレス

なまはげで泣いたことがない

秋田県の伝統行事として全国的に有名なのが「なまはげ」。

男鹿半島周辺で行われてきた行事であり、僕が暮らしている由利本荘市ではあまり馴染みがないが、それでも何かしらなまはげと接する機会はある。

なまはげはその見た目から子どもにとって恐怖でしかなく、今でも県内ニュースなどでなまはげに泣き叫ぶ子どもたちが取り上げられることがある。その子たち、なまはげが来る前は仮面ライダーとかちいかわのおもちゃで楽しく遊んでたんだろうなあと思うと、心がキュッとなる。

僕が保育園や小学校に通っていたときも、何かの行事でなまはげがやってきたことがある。当然みんな泣き叫び逃げ惑うのだが、僕は幼少期からなまはげが平気だった。怖いものが平気だったとかそういう訳ではなく、単純に中に人が入っていることを知っていたので怖くなかったのだ。クソガキだ。

高校生の頃は、とある日の朝、駐輪場になまはげが2体くらいいたことがある。不審なまはげではなく、自転車の安全運転を呼びかけるため警察署の人といっしょにやってきたのだ。どうでもいいがなまはげって自転車に乗れるんだろうか。補助輪有でワンチャンか。

さすがに高校生にもなってなまはげにビビる人はいなかったようで、なんならその時に来ていたなまはげはフレンドリーに話しかけてくれた。野球部の僕に向かって(坊主頭にエナメルバッグを持っていれば確定で野球部)、「夏の大会の対戦相手どこだ!?」となまはげボイスで聞いてきた。「◯◯高校(その年の優勝候補)です!」と答えたら、「ああ…」と素で落ち込んでいた。かわいい。

僕にいつか子どもができたら、なまはげは人だよって、教えるつもりでいる。