小市民

10年以上前に放送されていた『氷菓』というアニメが未だに好きである。

直木賞作家の米澤穂信氏の小説が原作となっており、日常ミステリの傑作として今でもファンが多い名作だ。あと「えるたそ〜」で有名だ。

『氷菓』の良さは主要キャラクターが全員魅力なのはもちろんのこと、あくまでも日常の謎にフォーカスしている点だ。高校生が日常で出会う謎だから、殺人や爆破なんて物騒なことは起こらない。普通に生きていて出くわすちょっとした謎の数々と登場人物との関わりが妙にリアルで愛おしい。それから、作者の米澤氏の真骨頂とも言えるが、作品全体にどこかほろ苦い雰囲気が漂っているのも僕好みである。

7月から米澤氏原作の小説が新たにアニメ化される。

小市民シリーズ

これまた日常ミステリの傑作だ。氷菓が好きな僕は絶対に好きだと確信しているので、観ることに決めた。小説も全て購入して読んだ。

予告映像とタイトルの可愛らしさからラブコメを想像した人は、痛い目をみるかもしれない。原作を読めば分かるが、人間の心の内側の生々しさが全編通じて描かれている。悪い部分を含めて、だ。だけど、それこそが日常ミステリを謳う所以だと思う。

この夏はみんなも小市民を目指そう。