井の中のアイランド

エクスとプレス

HANA-BI

今日は僕が暮らす秋田県由利本荘市にて花火大会が開催される。

中学生くらいまでは、毎年家族で会場まで行って見物していた。高校生になってからは、花火大会に来ているカップルを見ると「ぎっ💢」って思うようになってしまったので、行かなくなった(これは普通に僕が悪い)。

中学生くらいまでは毎年行っていた、という一文から分かるように、花火を見るのはめちゃめちゃ好きなのだ。たぶん、同年代の中でも特に真剣に見るほうだと思う。夜空に火の玉を飛ばして、それを爆発させて花のように魅せるなんて、あまりにも非日常だ。その非日常に誰も疑念を抱かないところがいい。

で、今日の花火大会には行くのかと言うと、行かない。花火大会に来ているカップルを見ると相変わらず「ぎっ💢」って思うからだ(相変わらず普通に僕が悪い)。いつまでもこんな考えでは良くない。頭をピストルで撃ち抜くくらいの衝撃を与えてやらなければ僕はだめかもしれない。でもピストルを持っている訳ないので、指をピストルの形にして、自分の頭に近づけるだけにしておいた。さながらソナチネのようである。

でも実際、花火大会に一人で行くような男は、今の時代じゃ好奇の眼差しを向けられるだろう。真剣に見ていれば尚更である。お一人様限定の花火大会があればいいのに、と思う。「カップル、家族連れ、友人同士での来場はお断り。お一人でお越しの方のみご案内いたします(注:花火を真剣にご覧になっていない場合、退場いただく可能性がございますのでご了承ください)」。こんな花火大会があったら、たぶん僕は午前中から場所取りをする。

少し古い記憶を辿ってみる。スターマインがやたら多かった。出店ではベタに焼きそばやタコ焼きなんかが売っていた。遠くで祭囃子も聞こえていた。ところで、祭囃子が時々、泣いているように聞こえるのは僕だけだろうか。