井の中のアイランド

エクスとプレス

神と仏

僕の家では特定の宗教を信仰していない。夏にはお寺へお墓参りに行くし、クリスマスにはケーキを食べるし、正月には神社へ初詣に行くような、ごくごく普通の家庭だ。キリスト教系列の大学に通っていたが、礼拝は出たり出なかったりだった。

しかしながら、実家にはお仏壇があるので、まあ一応は仏教を信仰しているってことになるのだろうか。もちろん、だからと言って強い信仰心がある訳ではなく、先祖代々のものを守って行こう的な気持ちである。

ちなみに、車で7〜8kmほど離れたところにある母親の実家は神道を信仰している家系である(これまた先祖代々のものを守っていこう的なノリだ)。そのため、お仏壇ではなく神棚があった。お線香をあげているところも見たことがない。

7年前に母方の祖父母を失くし、お葬式を行ったが、その形式も仏式とは違っていて驚いてしまった。例えば、仏式のお葬式ではお焼香を焚くが、神道のお葬式では榊(さかき)の葉を水の入った器に浮かべる。また、仏式では四十九日法要があるが、神道では五十日祭というものがあり、五十日祭を終えたら亡くなった人は神様になるという考え方らしい。

宗教にこれと言って興味のない僕だが、仏教と神道それぞれの考え方を大切にしたいと思っている。ただ、僕の家のお仏壇は、今じゃ飼い猫たちの遊び場になっている。僕にとっての神と仏は猫で間違いない。