井の中のアイランド

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大雨の影響により、高校野球秋田県予選も2日連続で順延となった。今日はまた母校の試合がある。ベスト8を懸けた試合だ。3連休ずっと家にいるのもつまらないし、応援に行こう。

僕の母校は前回までグリーンスタジアムよこてで試合をしていたが、今回からは秋田県下のメーン球場、あきたこまちスタジアムでの試合となる。秋田市方面へと車を走らせるが、ニュースで報道されたような大雨の被害は見られない。車で通っている地域はまだ大丈夫だったのだろうか。しかし、雄物川の水量は多く、茶色く濁っていた。今日は雨こそ降っていないものの、空は鈍色だ。どうか今日の試合には水を差さないでほしい。

あきたこまちスタジアム。バックネット側の屋根は米を、照明塔は秋田のお祭りである竿燈を模して作られている。この球場で横浜ベイスターズ時代の古木克明選手が1試合で2本のホームランを放ったことを覚えているのは僕だけではないか。

正面ゲートを入ったところには、立派な書道パフォーマンスが飾られていた。

今日は一人での観戦となるため、孤独な応援となる。だが、僕が座っているエリアでは僕の母校を応援している人が多いようで、心強い。

対戦校の選手は皆スイングが鋭かった。投手陣含めた守備も盤石だった。僕の母校は負けてしまった。もう卒業してから12年も経っているが、やっぱり負けるのは悔しい。でも、対戦校が勝利の校歌を歌っているところも見届けた。勝利した相手への礼儀だと思ったし、何より、負けた母校にちゃんと拍手を送りたかった。このチームに拍手を送れる機会はこれで最後なのである。

結局、試合中に雨は降らなかった。降り出したのは車に乗ってしばらくしてからだった。雨がフロントガラスを叩く音が、先ほど球場で聞いた拍手の音に似ていた。雄物川の水はまだまだ引く気配がない。本当はもっと穏やかな川なのだ。梅雨なんてそろそろ終わってしまえばいい。