サンダル

今の職場に勤めた初日のこと。僕は仕事を終えてからサンダルを購入しに行った。

前の職場はサンダルが必要なかったが、今の職場ではサンダルを履いているのだ。

地元のスーパーマーケットへ。スーツを着たまま17時を過ぎた地元を闊歩しているとき、地元に戻ってきたことを実感した。サンダルはシンプルなものを購入した。

翌日、さっそくそのサンダルを履いて仕事していたところ、職場の人たち皆に笑われてしまった。曰く「おじいさんが履いてそうなサンダル」とのことだった。僕は本当に、可もなく不可もないサンダルを購入したつもりだった。実際、可もなく不可もないのだが、センスが老人だったようである。

そのサンダルは結局、2年ほど履き続けた。時折「いつ見てもおじいさんが履いてそう」とイジられながら。今では仙台のアンダーアーマーで購入したサンダルを履いているので、イジられることはなくなった。おじいさんが履いてそうなサンダルは、とりあえず家に置いている。捨ててはいない。いつかまた履くときが来るはずもないし、愛着を持っている訳でもない。

ただ、捨てていないだけだ。まったく、ただそれだけのことである。