僕は飛行機に乗らない(≒君はロックを聴かない)

自分が飛行機が苦手なんだと知ったのは、5年前の3月に東京へ出張に行ったときだった。

飛行機に乗った経験は元々そんなになく、保育園のときに愛知県まで家族で出掛けたときと高校の修学旅行のときくらいだった。その時は酔い止めを飲んでいたし、飛行機の中で寝てしまったこともあって、なんともなかったのだ。

で、5年前の3月は酔い止めを飲まずに飛行機に乗った。自分で空港まで車を運転して向かわなければいけなかったので、酔い止めを飲むのを控えていたのだ(後から知ったが直前で飲むのがいちばん効果的らしいので空港に着いてから飲んでもよかった)。

手荷物検査の手順がイマイチ分からず、係の人に若干苛つかれながら搭乗し、CAさんが美人すぎてガン見していたところまでは問題なかった。フライト中も音楽を聞きながら、やっぱりCAさんをガン見する余裕はあったのだ。

しかし、飛行機が着陸体制に入ってから状況は一変してしまう。うまくは言えないが、なんかこう機体が地面に向かっている感じというのだろうか。あの感覚にプチパニックに陥ってしまい、吐き気はするわ全身が熱くなるわ僕の心臓のBPMは190になるわで、CAさんをチラ見することしかできなくなってしまった。飛行機が無事に着陸するまでの約10分間、あれは人生でいちばん耐え忍んだ10分間だったし、あんなに辛かった10分間はない。

それ以来、東京には行っていないので飛行機にも乗っていない。次に東京に行くときは、あんな方法(新幹線)やこんな方法(高速バス)で白河の関を乗り越えなければいけない。CAさんは新幹線になんか乗っていないと思うけれども。