母親の実家は車で10分ほどのところにあり、数年前に祖父母が亡くなったことにより今は空き家となっている。
人が住んでいないから、僕の両親や親戚が定期的に出向いて庭の草刈りなど管理をしている。今日は父から小屋の修理のお手伝いを頼まれたので、行くことにした。僕自身、母親の実家に行くのは久しぶりだ。
軽トラに乗ってゆったり向かう。今日は鳥海山がすごく綺麗だ。僕の実家からは山頂部分しか見えないので、裾野まで見えて壮大だ。
小さい頃はこの砂利道を歩いて、祖父母に近くの商店まで連れて行ってもらったものである。商店はずうっと前に突然閉店してしまった(夜逃げではないかと噂されている)。空き家になったのは母親の実家だけではない。僕が小さい頃と比べるとこの辺りも随分静かになった。
この時期は様々な花が咲いている。ヒメジョオンとか忘れな草くらいは僕にも分かる。近くの住宅の庭では菖蒲の花が立派に咲いていた。自生する花も人の手で植えられた花も、同様に綺麗である。そういえば、祖母は花が好きだったか。
今回修理している小屋である。窓枠が腐ってしまい、窓が外れるところだったので、新たな木材をはめ込んでいるところだ。
小屋の中には、でっけ〜味しらべの袋があった。個人的にハッピーターンより味しらべ派である。
クレオソート塗りの父
文字どおり小さな小屋なので、作業はそれほど大変ではなかった。クレオソート油が乾かないことには次の作業に進めないので、今日の作業はこれにて終了となった。
たぶん、いずれこの家は解体することになってしまうだろう。母親もなんとなくそんな話をしている。だけれども、そこに建っている間は、ちゃんと手入れしてあげたい。母方の祖父母には随分可愛がってもらったが、祖父母は僕が社会人になった年に亡くなってしまったから、全く恩返しはできずじまいだった。だからせめて、それくらいは思っておきたいのだ。