井の中のアイランド

エクスとプレス

せめてもの運動として

4年前の夏頃から、ほぼ毎日素振りをしている。

社会人になってから、いや、大学生になってからほとんど運動などしてこなかった。高校生の頃は部活で休みがほとんどない毎日だったので、その反動だったのかもしれない。

そんな僕が再び、ほぼ毎日素振りをしている。草野球チームに入ってこそいるが、試合のためというよりは、単純に体を動かす機会が必要だと考えたからだ。20代も中盤に差し掛かった辺りから、なんとなく健康のことを意識するようになり、適度に体を動かす機会も必要だと思った。ベタなのはジョギングだが、ジョギングを毎日続ける自信はない。思いきってジムに通ってみようかと思ったが、そこにお金が発生すると、無理をしてしまいそうな気がした。さあどうしようかと考えた結果、素振りを100本することにした。素振りなら家の前や小屋の中でも出来るから、時間や天気を気にしなくてもいいし、何より高校の頃、尊敬する先輩から貰ったバットを、随分長いこと使っていないことにもったいなさも感じていた。バットは飾っておくものではなく、スイングしてこそだ。

始めたばかりの頃はヘロヘロのスイングで、本当に自分は高校球児だったのかと疑うこともあったが、頑張って続けるうちに何となく感覚が戻ってきた。手のひらにできたマメの感触が懐かしい。素振りをしたことがない人は想像がつかないかもしれないが、意外と全身運動で、体幹が結構鍛えられる。毎日続ける運動としてはなかなか優れている(と思う)。

素振りに使っているバットには、先輩からのメッセージが記されている。夢を信じると書いて「夢信」。高校の頃はレギュラーになることを夢見て頑張っていた。今の僕の夢ってなんだろう。すぐには思いつかないけれど、とりあえず、次の草野球の試合でホームランを打てることを夢見て頑張ろう。