井の中のアイランド

エクスとプレス

ド曜日

朝、目を覚ました瞬間「今日はドーナツだな」と思った。無論、そこら辺に売っているドーナツではなく、ミスタードーナツである。

以前にも書いたことがあるが、僕が暮らしている秋田県由利本荘市にはミスタードーナツがなく、隣の市まで車で1時間ほどかけて行かなければならない。そこそこの遠出になるが、今日はドーナツだという確信がある。ドーナツを買うために捧げる土曜日も悪くない。

1時間ほどのドライブになるので、ウォークマンで音楽をかけていく。ランダムに流してみると、1曲目はback numberの「繋いだ手から」。おいおい、どうせback numberなら、そこは「オールドファッション」だろとツッコミを入れる。しかし、たとえオールドファッションがかかろうと、これから買いに行くドーナツの味が変わる訳でもない。ハンドルを10時10分の位置で握り、ゆっくりと車を発進させた。

107号線を南下する。すれ違う車はそれほど多くない。どうだ、僕はこれからドーナツを買いに行くためだけに土曜日を使うぞと、優越感に浸る。だからと言って、その感情を無闇に開示することはしない。うん、今日の僕はなかなかスマートだ。

ちょっとの寄り道を経て、目的地のミスドへ到着。最近、ミスドの業績は上向きらしく、店舗網の再拡大を検討しているという。もう一度、由利本荘市に出店してくれないかと、誰に届くでもないお祈りを心の中でしながら入店する。イートインを利用しているお客さんは少ないが、レジに並ぶ行列は5人ほど。ミスドはどれを購入していくかいつも迷うから、ちょっと並ぶくらいの方が、考える時間ができてちょうどいい。

箱かわいすぎ。

無事に帰宅。ポケモンとのコラボ中だったようで、箱も特別仕様だ。

いいね。

たった8個のドーナツが並んでいるだけなのに、壮観だ。家族で分けて食べ、土曜日は終わりに近づいていく。

ミスドをたくさん食べたら、しょっぱいものも食べたくなってきた。そういえば最近、銀だこを食べていない。残念ながら銀だこも現在、由利本荘市にはなく、これまた隣の市まで車を走らせなければいけない。よくもまあ我儘な食欲だとつぶやきつつ、僕は思うのだった。たこ焼きを買うために捧げる日曜日も、悪くないと。