井の中のアイランド

エクスとプレス

一か八かのサイン本

秋田県出身の現役プロ野球選手として、最も実績があるのは、東京ヤクルトスワローズ石川雅規選手で異論はないだろう。

来シーズンでプロ21年目。通算183勝。大卒の選手としてはNPBフランチャイズ初の20年連続勝利と、もはやレジェンドと言っても過言ではない。秋田の野球少年にとっては憧れの存在。もちろん僕にとっても。

そんな石川選手のサイン入り本が発売されているという情報を耳にした。

と言うか目にした。

こちらはノンフィクションライターの長谷川晶一さんが執筆した、この2年間の石川選手への取材をまとめた一冊(長谷川さんは熱心なスワローズファンである)。長谷川さんと石川選手のサインが入った特別版が、秋田市茨島にある加賀谷書店に入荷したらしい。

めっっちゃ欲しい。これは茨島までドライブしなければ。ただ、僕がこの情報を知ったのは12月24日の夜。買いに行けるのは翌日だ。店頭には24日から置かれていたらしいから、下手したらもう売り切れているかもしれない。事実、東京の書店で同様のサイン本が入荷した際には、一瞬で完売したとのこと。僕の家から茨島までは車で1時間ほどかかるし、それで売り切れていた時のダメージは計り知れないが、クリスマスの勢いに乗じて、悪天候の中をドライブすることにした。どうせ買えずに後悔するなら、せめて自分の目で売り切れという事実を確かめておきたかった(今思えば在庫があるか電話で確認すればよかったね)。

買えた。

思ったより残っていて拍子抜けした。秋田と東京ではそりゃあ関心を寄せる人の数も違うよなと思った。でも、だからこそ僕はこれを購入できた訳だ。一か八かのクリスマスドライブだったが、最高のプレゼントを手に入れることができた。一生大事に読み続けよう。