井の中のアイランド

エクスとプレス

ジングル・ベル

クリスマスシーズンだ。

子どもの頃はケーキを食べて、プレゼントに胸を躍らせてと、ただ楽しむだけでよかったのに、いつからクリぼっちだの何だの言われるようになったのか。

高校から大学生の頃の僕は信じられないくらい卑屈で、SNSに恋人との写真を載せている奴は全員敵だった(今はそんなことない)。クリスマスから年末年始の期間、SNSを一切見なかったこともある(今はそんなことない)。それから、彼女がいる友人を家に泊めなかったこともある(これは今もやる)。クリスマスはこんなに厳しいものだったか。

社会人になってからも彼女がいない状況は変わらなかったが、何故かクリスマスがちょっと楽しくなった。自分でケーキを買って、給料で欲しいものを自分にプレゼントしてと、小さい頃に好きだったクリスマスを自分でプロデュースするようになったからだ。

クリスマスは、こちらがきちんと歩みよれば、皆に平等に優しい。クリスマスを厳しいものにしていたのは、勝手に卑屈になっていた自分自身だった。10代後半から20代前半のいちばん楽しい時期にクリスマスを蔑ろにしていたなんて、本当に勿体ないことをした。この時期になると増えるイルミネーションは、もしかしたら僕みたいな奴の気持ちを明るくするためにあるのかもしれない。

明日はクリスマス・イブ。特別な予定はないけれど、楽しみだ。