保育園から小学校低学年の頃にかけて、給食を食べることが苦手だった。
特に保育園の頃は給食を残すこと・時間内に食べ終わらないことに異様に厳しく、毎日泣きながら給食を食べていた記憶がある。給食の時間が近づく度に訪れる「また今日も怒られる…」という不安。それが嫌すぎて1回だけ保育園をズル休みしたことがある。僕の人生唯一のズル休みである。不良園児。
子どもの頃に好き嫌いが多かった訳では無い。給食の量もかなり少なくしてもらっていた。なのに完食ができなかった。どうして僕は給食が食べれないんだろうと、子どもながらに不思議だった。今なら分かる。大人数で食事することが苦手だったのだ。実際、家でならいくらでも食べれた。
給食は、言ってしまえば「決まった時間に」「決められた時間内で」食事をしなければいけない行為だ。食事にそのようなルールを設けられていることがどうにも苦手だった（当時はそれを言葉で伝える術が分からなかった）。結果、僕は好き嫌いが多く食べるのが遅い奴というレッテルを貼られ、給食の時間に怒られることが日課となってしまったのだ。
最近知ったことだが、「会食恐怖症」という一種の精神病があるらしい。他人と一緒に食事をすることに極度の緊張や不安を感じてしまう病気だ。当時の僕が会食恐怖症だったのか知る由もないが、恐らくそうだったんだろうなと思っている。当時からこの言葉を知っていればちゃんと自分の不安を伝えられただろうか。でも「僕は会食恐怖症だい！えっへん！」って言ってくる保育園児がいたらビビるかな。
なお、小学校になってからは給食を残すことに厳しく指導されることがなくなったので、給食の時間が苦痛ではなくなり、3年生になる頃にはしっかり完食できるようになった。保育園の頃はデザートに辿り着くことができなかったので、七夕ゼリーの美味しさを知ったのは小学校になってからだ。こんなに美味しいデザートを保育園に通っていた間知らずにいたなんて損した気分だった。七夕ゼリーだから、一年に一度しか食べられないのだけれど。
