おかかはどこへ消えた?

おかかがどこにも売っていない。

おかかが欲しくてスーパーを3件巡った。おかか昆布とかおかかゴボウみたいな、おかか+αの品物は売っているが、おかかだけは売っていない。何も着飾っていないおかかが欲しいのだ。おかかが既に着飾った鰹節なのでは?とか言う子は…ぶつよ。

おかか入りのおにぎりは売っている。しかし僕がほしいのはこれからおにぎりの中に入るおかかなのであって、既におにぎりの中に入っているおかかではない。無限の可能性を秘めたおかかが欲しいのだ。

おかか味のふりかけは売っている。だけど、ふりかけはご飯の上に乗せることを主たる目的としているのであって、おにぎりの中に入ることは想定されていないだろう。実際、おにぎりの中に入れられるふりかけの気持ちを思うと、僕も泣きそうになってしまう。

たぶん、とは言っても確信に近いたぶんだが、世の中からおかかが突然消えたのだ。こんなにも純粋なおかかが見つからない訳が無い。或いは誰かにおかかを隠されたのか。

ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著)では、チーズが「私たちが求めている物」とされて物語が進行していく。失くなったチーズを求めて、別の場所へ探しに行く者、その場に留まったまま行動を起こさない者…。

現在、僕にとってのチーズはおかかなのだ(おかかチーズ美味しい)。チーズが世の中から消えて失くなった現状に、果たして、僕は。