井の中のアイランド

エクスとプレス

僕の通っていた小学校が蕎麦屋になりました

僕が通っていた小学校は、2021年3月31日を以って閉校となった。日本のどこにでもあるような過疎地域。閉校は何年も前から決まっていたことだし、秋田県内だけでも毎年と言っていいように閉校する学校がある。閉校は今時、決して珍しいことではない。だけど、地域のシンボルが無くなるというのは、やはり寂しいことだった。

そんな僕が通っていた小学校だが、今年の8月から蕎麦を提供する食堂へと生まれ変わった。住民有志の方々が発起人となり、活気が薄れた地元に交流拠点を作る意味も込めて、小学校を食堂として利用するという訳だ。僕の地元は蕎麦の生産が盛んで、地産地消にも同時に取り組んでいる。世の中に閉校した学校は数あれど、蕎麦屋として再スタートした学校は数える程しかないのではないだろうか。新たなモデルケースとなってくれたらいいなと、密かに思っている。

さて、その食堂に本日初めて行くことにした。車で行ってもよかったが、なんとなく、小学生の頃登下校していたルートを歩いて行くことにした。

地味な道だけど、懐かしい道。

ガードレールの錆が酷くなったような気がするが、変わっていない気もする。時が経つのは早い。平成すらレトロと呼ばれる時代になったのだ。食堂には15分くらいで着いた。小学生の頃の歩幅と29歳になった現在の歩幅は同じみたいだ。

特徴的な看板。オシャレだ。

この食堂は毎週土日、午前11時からオープンとなり、1日50食限定で蕎麦を提供している。僕が到着したのは11時30分頃だったが、10人程の待ちができていた。駐車場も結構混んでいたので、結果的に徒歩で来て正解だった。

数分待ち、中へ通される。メニューはぶっかけ蕎麦、ざる蕎麦に加えトッピングもいくつかある。さらに炊き込みご飯や手作りパンも提供している。炊き込みご飯とパンは持ち帰り可だ。ぶっかけ蕎麦にトッピングで天かすを注文し、席に座って待つ。グラウンドを見渡せる席だった。小学生の頃の部活動や運動会を思い出す。

ぶっかけ蕎麦&天かす(500円&100円)

蕎麦はコシがあって、程よいかたさで食べごたえがある。ツユの濃さもいい塩梅でつるっとした麺とよく合う。正直なことを言うと、小学校を再利用した食堂という話題性が人気の理由だと思っていたのだが、普通に味で勝負できる。ごちそうさまでした。

 

心地よい満腹感とともに家に帰る。次はいつ登校しようか、なんて考えながら。お腹は少し重いけれど、ランドセルを背負っていないので背中は軽い。そういえば、日曜日に登下校するなんて人生で初めてだ。それも既に閉校になってからそんな経験をするなんて、不思議だ。