井の中のアイランド

エクスとプレス

美容院へ

美容院へ行った。

前回美容院へ行ったのは9月半ばだったから、ちょうど2ヶ月ぶりだ。今の一言で、僕が自分の髪型になんのこだわりもないことがバレてしまったと思う。髪が伸びたなと思ったタイミングでしか美容院へは行かない。

自分はどんな髪型が似合うのかよく分からない。普段の髪型はいわゆる「普通」で、似合うとか似合わないとかいう議論にはならない。

高校生の頃は野球部に所属していたので、ずっと坊主だった。その反動で大学生になってから髪を染めたということもなく、ずっと普通のままだ。

僕は前髪だけが軽い天パで、勝手に横に流れている。大学生の頃に通っていた美容院で、ドライヤーのかけ方のアドバイスを美容師さんが教えてくれた。

「こういう風にドライヤーをかけてあげれば、前髪も変にならないよ!

この人、僕の前髪を変だと思ってんだなと思った。ちなみに、ドライヤーのかけ方アドバイスは、僕が教えてと頼んだ訳ではなく、美容師さんが急に教えてくれたのだ。その美容院には何度か通っていたけど、ずっと変だと思ってたんだなと思った。

今の職場に勤めてからは、地元の美容院に通っている。休日に気合いを入れて行くのではなく、平日の仕事終わりにふらりと行く。たまに予約すらせずに行くこともある。いつも担当の指名はしないけど、ここ3回くらい、たまたま同じ美容師さんに担当してもらっている。「前回と同じ感じで」と言えば伝わるから楽だ。僕は髪を切ってもらっている最中、雑誌を読まない。首を動かせないし、近年はマスクをしているため雑誌の下部が読みづらい。だから、髪を切ってもらっている間、ずっと目の前の鏡を見つめている。自分の髪が少しずつ短くなっていく様は、なんだか不思議だ。決して何も考えず鏡を見つめている訳ではない。美容師さんの櫛の当て方とか、ドライヤーのかけ方を見ている。家で髪型を整える際の参考にしたいと思ったのだ。でも、見たことない形の櫛を使っていたし、ドライヤーがデカい銃みたいで、家では無理なんじゃないかと思った。

「髪型変えてみたら?」と何度友達に言われてきただろう。次に美容院へ行くときはちょっと変えてみようといつも思っているけど、結局、伸びただけ切ってもらうに落ち着く。美容師さんに、どうやって注文したらいいか分からない。とりあえず、次に美容院へ行くときは、担当を指名してみよう。「前回と同じで」以外の注文も用意しておく。