井の中のアイランド

エクスとプレス

老い

ジャネの法則」というものがある。

フランスの哲学者ポール・ジャネが提唱した法則で、例えば5歳児にとっての1年はこれまで歩んできた人生の1/5という割合なのに対し、50歳にとっての1年は人生のわずか1/50でしかないという理論である。その理論に基づいて算出すると人生を80年としたとき、体感速度では19歳で人生の半分が終わってしまうということらしい。

僕は現在29歳。ジャネの法則に拠れば10年前に人生が折り返しを迎えていたことになる。難しい話はよく分からないが、子どもの頃の方が時間の経過がゆっくりだった感覚はある。

19歳で人生が半分終わっていると言うならば、僕はこれから老いていくだろうし、実際に老いている自覚もある。職場の先輩方にその話をすると「まだまだ若いでしょ!」なんて言ってもらえるが、どう考えても以前の自分よりも今の自分は老いているのだ。

僕が最も老いを自覚するのは睡眠だ。土日、せっかくの休みだし目覚まし時計もかけずにたっぷり寝ようと思っても、必ず6時30分くらいに目が覚める(平日起きる時間)。もっと言えば5時くらいに急に目が覚めることもある。そこから二度寝しようと思っても、けっこうな時間を要する。子どもの頃は二度寝が自分の特技と言えるくらい、二度寝に時間がかからなかった。

睡眠にも体力を使うらしいので、年齢を重ねるにつれて睡眠時間が短くなるのは必然だ。かと言って、短い睡眠時間でも大丈夫な体かというとそんなことはなく、昼過ぎくらいにしっかり眠くなってしまうのでバツが悪い。これが老いじゃなければ一体何なのか。

これからもっと寝れなくなるんじゃないかとか、頭髪も薄くなるんじゃないかとか、ちょっと気にしている。でも、子どもの頃に好きだった食べ物は今でも好きだし、野球も好きだし、ウルトラマンも好きだし、難しい本よりも雑誌や漫画を好んで読むし、意外と大丈夫なんじゃないかとも思っている。