井の中のアイランド

異動しました

夏陰

二十四節気では、8月8日〜22日頃を立秋(りっしゅう)と呼ぶ。つまり、暦の上では既に秋を迎えており、これからは残暑という言葉を使う。夏の暑さが残るどころか、夏真っ盛りの気候なのに、である。

家の周りでは、まだまだ蝉が鳴いている。この辺りでよく見られるのはアブラゼミやミンミンゼミだろうか。夕方になるとヒグラシの鳴き声もよく聞こえる。僕が子どもの頃はツクツクボウシの鳴き声もよく聞こえていたが、ここ数年めっきり聞かなくなった。特徴的な鳴き声なので、聞き間違えるはずがない。ツクツクボウシは既にどこかにいってしまって、他の蝉は鳴いているのではなく、泣いているのかもしれない。

アルコール飲料のCMは、秋をテーマにしたものに差し替えられた。CMなんだから、季節を先取りするのは当たり前か。暦の上では秋だから、決して先取りではないのだけど。ビールが好きな人は季節関係なく美味しいと感じるのだろうか。それともやっぱり夏に飲むビールは格別?僕にも分かる日がくればいいと、少しだけ思っている。ちなみに、サイダーは夏に飲むのがいちばん美味い。

夏の高校野球は本日、決勝戦が行われた。熱戦の末、慶應義塾高校の優勝で幕を下ろした。社会人になってからは夏の高校野球を見れる機会はほとんどなくなった。でも、夏の高校野球が始まるだけで嬉しいし、終わるだけで悲しい。夏の高校野球の終わりが、僕にとっての夏の終わりなのだ。

夏が過ぎていく感覚。夏が遠くへ飛んでいく実感。楽しい時間が短くなっていく確信を真正面から浴びてしまうから、この季節は寂しくなる。