井の中のアイランド

エクスとプレス

お届け物

僕が今暮らしているアパートに、前の住人宛の郵便物・宅配物が届くことがある。

前の住人は11月まで住んでいて、仕事の都合で急遽引越すこととなった(不動産屋の担当者談)みたいだ。住所変更の手続きが間に合っていなかったことは用意に想像がつくので、この状況は仕方がない。もうちょっとしたら誤配送もなくなるだろう。

他人宛の荷物を勝手に開封していいはずもないので、すぐに郵便局や宅配会社に返しに行く。一晩アパートに置いておくのもなんだか気が引けるのだ。なんというか、全然知らない人と同居している感じがしてしまう。僕は一人暮らしがしたくて引越してきたのである。

僕が逆の立場だったとしたら、引越しが決まった瞬間にすぐに住所変更の手続きをしなければ、と思っている。自分の荷物が赤の他人の家に届くなんて、ゾッとする。

例えば、新しい住人がズボラな人だったら、他人の郵便物など軽い気持ちで捨ててしまうだろう。新しい住人がデリカシーのない人だったら、他人の荷物を勝手に開けてしまうこともあるのではないか。そもそも全然知らない人に名前がバレるのもちょっと嫌だ。

一昨日も前の住人の荷物が届いたが、品名欄に「本」と書いてあった。なんの本なのか、否が応でも考えてしまう。六法全書下巻だろうか。開けずに宅配会社に返しに行ったので、わからない。