井の中のアイランド

エクスとプレス

高揚

今日は担当する会議があったため、職場を出たのが19時だった。

家に着くと19時30分くらいになってしまうし、晩飯を食べて帰ることにした。手軽に安い牛丼でもと思ったが、ふと、とんかつのことを考えてしまい、あっという間にとんかつの口になった。

とんかつを食べるとなると、一番安いメニューでも1,000円を超える。一方、牛丼ならばだいたい500円前後で済むはずだ。お財布のことを考えたら完全に牛丼の方がいい。でも頭の中はとんかつでいっぱい。さて、どうしよう。

とまあごちゃごちゃ言っているが、気づいたらとんかつ屋に着いていた。牛丼なら500円くらいで済むが、特殊な四捨五入をすれば500円も1,000円になる。つまり、金額的にはほとんど変わらない。ならば自分に嘘をつかずとんかつを食べるべきなのだ。

もしもあの時、僕がとんかつ屋に入るのを邪魔する者がいたならば、例え心清き友だろうと、僕に惚れている女子だろうと、ぶっ飛ばしてでもとんかつ屋に入っていただろう。心清き友はともかく、僕に惚れている女子がいないのでそんなことをせずに済んだ。

味噌かつ(1,300円くらい)

今日は味噌かつの気分だった。あまりにも美味しくて、途中から「ガルルルルルル…」と周囲を威嚇しながら食べていた。味噌かつに舌鼓を打つこの瞬間、誰にも邪魔させない。

お腹がいっぱいになったので家に帰ろうかと思ったが、マウスウォッシュがなくなったことを思い出したので、ドラッグストアに寄った。僕は職場で昼食を食べた後にマウスウォッシュで口をぶくぶくしているのだ(急にキスしなきゃいけなくなったら困るから)。本当はブラッシングをした方がいいだろうし、そもそも僕が普段使用しているのはマウスウォッシュではなく液体歯磨きだから、ぶくぶくするだけじゃ意味ないんだけど。

まあ、高いお金を払ってとんかつを食べたのも、あまり意味が無いないマウスウォッシュをしているのも、自分が担当する会議が無事に終わった後の高揚感の下ではどうでもいいことなのだ。